JMAHDは「グループシナジーの最大化を促進するための機会の創出」を掲げ、法人間の人的交流を深める取り組みを続けています。その一環として、2026年5月、高知県高知市土佐山地域にて「リーダー交流研修」を実施しました。
本研修の目的は、グループ各法人から選抜された人材(リーダー候補)が、日常業務では出会えない仲間と関係を築き、社会課題を自らの五感で捉え直す場です。「集団天才」という組織価値観を、机上ではなく体験として共有すること。それが7回目を迎えた越境学習の狙いです。
高知市土佐山地域(旧土佐山村)は、人口約900人・14集落。土地の94%を森林が占め、清流・鏡川の源流域に田畑と暮らしが営々と築かれてきた、典型的な「土佐の山村」です。
この地には、明治の自由民権運動の時代から続く「夜学会」の伝統があり、「社学一体」という人づくりの概念の発祥地としても知られています。
現地コーディネートを担うNPO法人土佐山アカデミーは、過疎・高齢化という現実を前に、それを「オモシロガる」ことで資源へと転換していく実践者です。課題を課題のまま嘆かない。資源として見立て直す。 この視点こそ、リーダーの思考の枠を大きく揺さぶる越境先だと考えました。
期間:2026年5月18日(月)~22日(金)(4泊5日)
事前研修:4月22日(水) JMAビル(終日・対面)
事後研修:6月19日(金) JMAビル
参加者:グループ各法人(JMAS・JMAC・JMAR・JMAM)からリーダー14名
本研修は、5日間をかけて視点を段階的に組み替えていく設計になっています。
現地へ発つ前に、一日かけて土台をつくりました。自己紹介や各社紹介、JMAの歴史講義に加え、「他社のもったいない資源×自分の仕事」をテーマに語り合い、懇親会で締めくくりました。
初めて顔を合わせる相手と、その日のうちに打ち解ける。事前にこの時間があったことで、参加者は現地初日から自然に会話できる状態で臨めました。
活動拠点は土佐山夢産地パーク交流館「かわせみ」。昼食では地域の方によるカツオの藁焼きたたきの実演を体験し、土佐山との最初の接点をつくりました。
オリエンテーションでは、あだ名で呼び合う「キャンプネーム」を作成。さらに、5日間こっそり相手を観察し最終日にフィードバックを贈り合う「こっそりバディ」のくじ引きを行いました。
午後は土佐山アカデミーによる「オモシロガリスト入門」。LEGO® SERIOUS PLAY®では、全員が同じ指示を受けたはずなのに、一人ひとり違う「あひる」ができあがりました。「アヒルのイメージは皆同じだと思っていたが、まったく違った」。思い込みの危うさと多様性を、体験を通して実感した瞬間でした。
午前は「土佐山アカデミー解体新書」。課題を資源ととらえ、関係人口を生み出してきた発想と実践を学びました。
午後は土佐山ツアーへ。耕作放棄されたハウスを遊び場に転換した「ナミオハウス」の竹のブランコ、2日間で建てられた家、移住者の自宅。「課題を資源に変える」現場を、バスと徒歩で巡りました。参加者からは「『課題がある』こと自体が、実は資源なのだと思った」との声があがりました。
夜は「戦略BBQ」。土佐山で得た情報とメンバーの特性を踏まえ、チームごとにコンセプトから考え抜くBBQです。肩書きも会社も関係なくアイデアが集まっていく。会社の枠を越えて協働する感覚を、遊びながら体感しました。
午前はポジティブ転換力講座。土佐山が実際に抱える地域課題を資源へ転換するグループワークを通じて、「課題×自分の興味×巻き込む人」の重なりからアイデアが生まれるという考え方を学びました。
午後は「語りおろし」。自身の課題を6分間語ったあと、語り手は輪に背を向け、聞き手のフィードバックにただ耳を傾けます。「自分が『課題』だと思い込んでいた点に、『それは課題ではないのでは』と言われ、良い意味で衝撃を受けた」。深い内省の時間となりました。
夕方からは高川公会堂へ移動し、地域の方々との交流会を実施しました。
午前は「遊び発明ワーク」。グループシナジーを念頭に、交流を生む遊びをチームで開発しました。
午後はJMAHDグループ各社の役員が合流し、「遊びトライアル」を実施。役員のみなさんも参加者に交ざり、本気で遊びました。「大人が本気で遊ぶ姿にちゃめっ気があり、場の雰囲気が明るくなった」「遊びになると全員が本気になる。日ごろの業務に遊びの要素を加えれば、モチベーションも変わるのでは」。夜は役員を交えた懇親会で、グループの未来を率直に語り合いました。
最終日は高知市立自由民権記念館へ。土佐山と自由民権運動・「社学一体」のつながりを学んだ後、5日間の学びを一語に凝縮する「想いの揮毫」を行いました。
揮毫したキャンバスを掲げ、それぞれの学びを自分の言葉で語り、「こっそりバディ」によるSBI(状況・行動・影響)フィードバックで締めくくり。「思いもよらない人が、思いもよらない視点で5日間自分を見ていてくれたことに、驚きと嬉しさがあった」。温かく、笑いのあふれる最終日となりました。
土佐山での学びは、持ち帰ってからが本番です。JMAHDが力を入れているのは、むしろその先の連携づくりにあります。
6月の事後研修では、参加者それぞれが自分の「武器」と「困りごと」を持ち寄り、掛け合わせる時間を持ちました。他人の困りごとに、自分の武器が思いがけず刺さる。法人の垣根を越えた瞬間が、あちこちで起きていました。
すでに動き出したものがあります。エンゲージメント分野での法人をまたいだディスカッション。越境メンバーの強みを持ち寄った生成AI勉強会。「社内ハッカソンの運営に『オモシロガる』視点を持ち込みたい」という挑戦。JMAHDでは、こうして生まれた連携に費用補助をつけ、実際の仕事として動かせるようにしています。
若手を5日間、業務から完全に離して山村へ送り出す。そこで生まれたアイデアには、会社が予算をつける。JMAHDが「集団天才」と呼んできたものは、スローガンではなく、こうした具体的な仕組みのことです。
グループ交流研修(ラーニングワーケーション)は、2019年和歌山紀南地域、2022年新潟妙高地域、2023-24年岩手釜石地域、2024-25年福井県永平寺町につづき、今回で7回目となりました。
法人の枠を越えて出会い、違いを楽しみ、課題を資源に変えていく。JMAHDはこれからも、社員一人ひとりが主体的に学び、挑戦を続ける文化を育みます。そしてグループ全体の成長を加速させるとともに、日本から世界へ新しい価値を発信していきます。